いしこっちによる投球障害予防講座


野球力測定について 2018.5.24

こんにちは!今年度から副キャプテンを務めさせて頂くことになりました、いしこです。

現在、理学療法士4年目で病院勤務をしています。野球などのスポーツ障害リハをしていければなぁと思っていましたが、投球障害の患者様を一度も見たことがありません。そんな時に監督のイチリョーさんから草野球をしている人たちに向けて投球障害予防に対するコラムを任されましたので奮闘してやっている次第です。

 

初めてのコラムでつたない文章もあると思いますが、最後までお付き合いお願いします。



2nd (IR/ER)について

まず、IRはInternal rotationの略で内旋といいます。ERはExternal rotationの略で外旋といいます。2ndはセカンドポジションの略で他にも1st(ファーストポジション) 3rd (サードポジション) があります。言葉だけでは、なんのこっちゃ?とお思いの方がいらっしゃると思いますので画像を張り付けておきます。

 


なぜ2nd IR/ERが投球動作において重要なのか

投球動作は第Ⅰ相~第Ⅴ相に分けられています。相分けはこのようになっています。

第Ⅲ~Ⅳ相では、ステップした脚が接地してから腕を振り始め外旋運動が起こり最大外旋位(Maximum ER)となります。ここでの外旋可動域は160°程度必要となります。

 

そこから一気に内旋運動が起こり、ボールリリース後も内旋運動は続き、フォロースルーで最大内旋位(Maximum IR)となります。ここでの内旋可動域は20°程度必要となります。

最大外旋が不十分な時は投球力の不足を生み出すとされています。球速は最大外旋~最大内旋の可動範囲が大きく、運動時間が短いと速くなると言われているため、この動作と同じポジションの2nd IR/ERの可動域の評価が重要となります。運動時間を短くするためには筋力も重要なポイントですがそれについては今後説明していく予定です。


肩関節内旋可動域制限が引き起こす障害

投球障害の予防の観点からも2nd IR/ERは重要です。

特にIRが重要と言われています。IRの制限が強いことは肩関節の後方にある筋や靭帯が硬いことを示しています。

なぜ肩関節後方の組織が硬いと投球障害が生じるかということについて解説します。

 

肩関節は実は5つの関節からなっており、その中の肩甲骨と上腕骨で構成されている肩甲上腕関節という関節があります。みなさんが肩関節と言われて、まず第一に想像するところです。

 

この肩甲上腕関節の後方に位置する筋や靭帯が硬いと上腕骨頭が後上方へ変位してしまいます。


この状態になると投球動作の最大外旋時に上腕骨頭と肩甲骨の関節面で筋などを挟みこんでしまい(インピンジメント症候群)、筋肉の損傷などを引き起こすリスクが高くなります。

 

じゃあ、どれくらいの可動域があれば良いの?って話ですが

投球側のIRと反対側のIRの差が20°未満であれば投球障害は生じないと言われています。

 

なので肩関節の後方にある筋を伸ばすストレッチはとても重要なのです!!


肩関節後方インナーマッスルのストレッチング

1.ストレッチしたい肩を下にして横向きに寝ます。

2.下の肩をまっすぐ前に出し肩関節を直角にします。

3.肘関節も90°に曲げ手の平を床に向けます。

4.逆の手で手の甲を床に向かってゆっくり押していきます。

これを30秒、4セット行いましょう!

毎日ですよ!毎日!


最後に

長くなってしまうので一旦第1回目はこれで終わりにします!

今後も投球障害に対する知識や予防方法をなるべくわかりやすく伝えていくのでこれからもお付き合いお願いします。